合成コントロール法の数理と実装:スパース推定・ベイズ的不確実性評価との融合まで
学習ポイント
SCM(合成コントロール法)が必要とされる背景と、DIDでは対応が難しい状況における有用性を理解する
重み付け最適化の仕組みと理論的背景を含む、SCMの基本的枠組みと推定対象を体系的に学ぶ
スパース推定を用いた複数の介入群を持つケースのSCMを学習する
Bayesian SCMによる、不確実性評価の考え方と実装例を学ぶ
拡張的アプローチ(Augmented SCM, Matrix Completion, Generalized SCM) を比較し、SCMの適用範囲と限界を把握する
詳細概要
本セミナーでは、政策評価や因果推論の分野で国際的に広く利用されている 合成コントロール法(Synthetic Control Method, SCM) を、基礎的な考え方から最新の応用手法まで体系的に学びます。まず前半では、SCMが必要とされる理由を明確にするために、観察データを用いた政策評価において頻繁に直面する課題を整理します。そのうえで、SCMがどのようにこの問題を回避し、「処置がなかった場合の反実仮想の時系列」 をデータ駆動的に構築する手法なのかを明確に示します。
続いて、SCMの数理的仕組みを丁寧に解説します。合成コントロール群を構築する際の重み付けは、事前期間の予測誤差を最小化する最適化として定式化されます。本セミナーでは、具体的な損失関数、制約条件、識別可能性の条件を示し、潜在因子モデル(Interactive Fixed Effects Model)との理論的関係を踏まえながら、SCMがどのような状況で一致推定量として振る舞うかを体系的に整理します。
また、介入群が多数存在するケースを同時に扱う設定を念頭に、スパース推定を利用したSCMを解説します。後半では、SCMが伝統的に抱えてきた不確実性評価の難しさへの解決策として、Bayesian SCMの枠組みを紹介します。また、SCMの発展的手法として近年注目が高まっている
Augmented SCM
Generalized SCM
Matrix Completion Method
などを取り上げ、手法ごとの強み・弱み、適用が適切なデータ構造、計算負荷や推論手法の違いを比較検討します。本セミナーを通じて、参加者はSCMを単に“使える”だけでなく、その背後にある統計的数理、識別の考え方、そして理論と実装の双方における重要なポイントを深く理解することで、より説得力のある因果推論を実践できるようになることを目指します。政策評価、経済分析、社会科学研究、企業でのデータ分析など、幅広い領域で活用可能な技術を体系的に身につけることができます。
対象者
合成コントロール法について近年の発展までを体系的に学びたい方
時系列データを用いた因果推論に関心のある方
ビジネスに適応可能な柔軟な因果推論を学びたいデータサイエンティスト
パネルデータを用いた因果推論の理論と実装を学びたい大学院生・応用研究者
講師プロフィール
菅澤翔之助 (Shonosuke Sugasawa)
職歴
2023年4月~ 慶應義塾大学経済学部 准教授
2021年4月~2023年3月 東京大学空間情報科学研究センター 准教授
2018年4月~2021年3月 東京大学空間情報科学研究センター 講師
2015年12月~2018年3月 統計数理研究所リスク解析戦略研究センター 特任研究員
領収書発行
領収書を希望の方は、下記よりお問い合わせください。なお、学割利用の方への領収書発行はいたしかねますので、予めご了承ください。https://seminar.no-spare.com/receipt
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